イノセントグレイは神ゲー量産会社である。
これは誇張ではなく真実である。
高校時代、まだYouTubeがそれほど有名でなかった時代のことです。まだあどけない少年であった名前のないPはある動画とエンカウントしました。
それは「カルタグラ ~ツキ狂イノ病~ 」というタイトルの書かれたオープニングでした。
当時、うみねこのなく頃にやグリーングリーン、ToHeart2、こみっくパーティなどで高品質なゲームオープニングのマイブームが来ていた時期で、「エロゲー OP」で検索をするのが日課になっておりました。
その時に、検索に引っかかったのがカルタグラのオープニングでした。
どことなく横溝正史を思わせる雰囲気に私の脳汁は溢れ出てきました。
何を隠そう、私は霜月はるかファンだったからです。
今まではオープニングを見るだけで満足していましたが、この時ほどエロゲを買いたいと思ったことはありません。
だからこそPS2で出ていると知った時は狂喜乱舞しました。
しかし、販売本数が限定的すぎてゲームショップを探しても見つからず、秋葉原の片隅で丸くなった記憶があります。
カルタグラの季節は冬なのに、どうして夏の暑い日に汗だくになりながらあるかもわからないゲームを探すのだろうか。
しかし、それこそがロマンでした。
見つけてびっくり、1万円越えの価格だったときは発狂してしまいました。

2,530円
仕方なく、まんだらけでオフィシャルファンブックを買って我慢したのは良い思い出です。
ちなみにこれがPS2版のオープニング

5,104円
カルタグラとはどんなゲーム?
そもそも、カルタグラってどんなゲームなのよ!という話ですが、
正直な話、万人受けはしません!
なぜか?
グロ耐性が求められるゲームだから
これに尽きます!
本作はミステリー作品、猟奇ゲーというだけあってもうグロいグロい。
「エロゲ グロ」で検索すれば絶対カルタグラは出てくるほどですよ?
「あ、この子良いー!」
って思ったら、むごい死に方をしてしまう。それがミステリーゲームの宿命です。
あらすじ
――それは、妄執と狂気に至る愛。
昭和二十六年二月。終戦から六年が過ぎた日本。
かつて警視庁に籍を置いていた高城秋五は、逗子行きの列車に乗っていた。
彼は膝の上に置いた新聞の見出しを見て、怪訝な様子になります。
そこには「上野の連続猟奇殺人事件」の文字があった。この事件は、戦後日本では類を見ない連続殺人である。
事の発端は、秋五の元上司である有島一磨から「上月家息女の失踪事件」の協力要請があったことだ。失踪したのは上月由良、それは秋五のかつての恋人だった。依頼人は上月夫妻、そして由良の妹である和菜であった。
上野連続猟奇殺人、そして上月由良失踪事件。
一目見れば関係のない二つの事件が交錯する時、妄執と狂気の事件が幕を開ける。
もう完全に横溝であり、京極であり、私の大好物でございますほんとうにありがとうございました。
演出のすばらしさ
エロゲというのはカットイン演出というのがあります。アクション系やファンタジー系はこうしたカットイン演出にかなりの力を入れています。
問題は、あまり動的な動きがなさそうなミステリーでどうやってカットイン演出をするのか?
カルタグラは見事にそうした演出を最高のパフォーマンスでお送りしています。
またイノグレテキストというのは、主人公とそれ以外の視点で横読みと縦読みが切り替わることです。特に主人公以外のザッピングは回想シーンのような演出になっています。
ヒロインよりヒロインしている人気キャラたち
まずカルタグラには6つのルートが存在する。
その内の一つは「なぜあるの?」というレベルですので、あまりここでは明記しません。
メインヒロインとなるのは
上月 和菜(こうづき かずな) メインヒロイン。舞台女優の卵。
高城 七七(たかしろ なな) 秋五の妹。
初音(はつね) 遊郭『雪白』で下働きをしている少女。
綾崎 楼子(あやさき たかこ)私立華陽学園に通う少女。ほぼヒロイン。
凛(りん) 遊郭『雪白』で働く女性。秋五に思いを寄せる。
それぞれにルートが存在します。
そして、特にファンの間で人気が高いのは「凛」と「楼子」です。
しかし、イノセントグレイは「ただでヒロインを攻略させない」会社として有名です。
詳細は省きますが、旧作版と新作版でこの二人の展開は異なります。
まずは旧作版をやってから、新作版をやるのもおススメです(まあ、新作版にも旧作版のルート展開は残されているのですが、旧作版ではルート固定の絶望を皆さんも味わってほしいなと思っています)。

5,104円
殻ノ少女の襲来
さて、そんな私がカルタグラのPC版を購入できたのは高校卒業間近になってのことでした。
当時、私にはかなり「いかつい知り合い」がいたのですが、その人はアダルトビデオを友人に頼まれて買いに行く要員でした。
そんな彼にどうしてもやりたいと「ヤりたい背中リスト」というものを手渡して、なけなしのお年玉を渡し、買いに行かせました。
色々と買いに行かせました。
その中の一つが「カルタグラ」でした。
ただその時期にはもうすでに「殻ノ少女」がリリースされており、私自身も空前絶後の京極夏彦ブームでした。
というのも、2007年に堤真一さん主演の「魍魎の匣」が公開され、2008年には平田広明さん主演のアニメ「魍魎の匣」がオンエアーしておりました。ちょうどアニメ版の放映時に発売されたのが「殻ノ少女」だったというわけです。

5,104円
これをどうやって知ったかといいますと、当時「パソコンパラダイス」という雑誌を親に秘密で購読しておりました。
これがまた寛容な時代でして、パソパラや「DENGEKI-HIME」などは世田谷は三軒茶屋の文教堂(2017年に閉店)さんに行けば漫画ゾーンの片隅に置かれていたものです。
パソコンパラダイスは一般的にはアニメ雑誌のような認識だったと思いますが、蓋を開ければ中学生男子たちのまさに「パラダイス」だったわけです。
当時のパソパラに掲載されているタイトルは多くがレジェンド入りしたものですし、掲載ページが一ページだ毛のタイトルでも、「あったな、こういうのも!」という名作ゲームがありました。
そこで特集が組まれていたのが「殻ノ少女」だったと思います。
絵師さんは「杉菜水姫」さん。カルタグラと同様の絵師さんということで期待は高まります。
というか、カルタグラから殻ノ少女に至るまでに絵柄がかなり変わっていてすぐに「イノセントグレイ」の作品だとわかりませんでした。
ストーリーや女子校に属すヒロイン、連続少女失踪事件、「殻ノ少女」というタイトルの絵などは「魍魎の匣」を彷彿とさせる構成で、胸が熱くなりました。
私は選択を迫られるわけです。
殻ノ少女を買うか。
カルタグラを買うか。
ただ、私の持論ですが、そもそもそのエロゲ会社の世界観や作風というものを理解するためには、やはり最初の作品から始めないといけないと考えています。
そのため、カルタグラを購入。
プレイしました。
ただ、後に公開したのは「PARANOIA」というイノグレ作品全部乗セットという神コンテンツが発売されたことです。
まあ、購入しましたが。
もうイノグレを効率よく楽しみたいという人にはこっちの全部乗セットを買うことをお勧めします。
荒ぶる冬史愛
ネタバレはできませんが、カルタグラの魅力は何といっても冬史ですよ。

蒼木冬史は、イケメン女子キャラクターコレクターたちの性癖を見事にストライクします。
銀髪、ポニーテール、赤い眼。侠客。味噌激推しウーマン。
煙草の香りと良い香りが混ざった感覚に襲われます。
イケメンなんですけど、可愛いんですよ。ほぼ嫁やん秋五!
結婚しろ!
なのにね・・・。
冬史ルートなかったんですよ(゜-゜)
いや和菜ルートっていうのがあるんですけど、その中にね、ビターエンド的なルートで冬史ルートがあるのですが。
ほぼ扱いが、負けヒロイン枠やん!
もういやぁぁぁぁぁぁ!(/・ω・)/
あれから15年以上経過しました。
そんな時、でましたね。
↓ ま さ か の リ メ イ ク
追加エピソードはあったか?
いやぁ、オープニングがもう一つの短編小説みたいなクオリティなのは、さすがイノセントグレイといいますか。
そしてはやる気持ちで今度こそ冬史ルート改訂来ると思ったんですよ・・・。
(ノД`)・゜・。
↑これで察してください。
ただですね、旧作やったけど新作まだーな人に朗報です。
先ほども言いましたが、凛ルートと楼子ルートに追加シナリオがございます。
さらにグランドフィナーレが追加されています。
もうね。
深夜、パソコンの前で、一人号泣しました。
そんなカルタグラ、是非ともやってみてくだしあーーー!!!
私を知っている方々のための補足:神谷奈緒の事件簿で登場する金田一家のモデル
神谷奈緒の事件簿という同人誌を書いていますが、その中に「金田一七四」や「金田一八九」などが出てきます。彼らのモデルは「高城家」であり、七四にいたっては冬史がモデルです。
補足までにw